神社へ訪れた際、ほとんどの人が一度は引いたことがある『おみくじ』。
初詣や事あるごとにおみくじで運試しをしてみたりと、おみくじが大好きな日本人ですが、そもそもおみくじはいつ誕生して、誰が広めたのでしょうか。
ここでは、おみくじの由来について、そしておみくじの種類・引いたらどうするのかなど、言われてみれば気になるおみくじについてお話していきます。
そもそもおみくじって何?起源は?
おみくじは神様や仏様のお告げを頂くものです。お寺の場合は中国から仏教と一緒に伝わってきたもので漢詩がもとになっています。
おみくじは漢字で「御神籤」と書きますが、くじに「御」と「神」の敬称を付けたとても丁寧な言葉です。「御御籤」と書いたりもします。また、みくじは「神籤」や「御籤」と書いたりもします。お寺にあるものは「仏籤」と言います。
おみくじの元になっているのは、古代に行われていた卜占(ぼくせん)とされています。これは、神前に奉献するものや榊の枝を振って、その先についている札に記された人名や事柄が神の意志であると考えるものでした。
他にも、卜占には鹿などの動物の骨や亀の甲羅に入ったヒビの形から占うものもあります。
こうして、国の祭政に関する事柄や後継者を選ぶ際に、物事がなかなか決まらない時に、籤引きで神意を伺っていました。
おみくじを広めた人は?今注目されているすごい人だった?
現在神社にあるおみくじは、平安時代に天台宗の元三大師が考案した「観音くじ」が始まりと言われています。
観音ぼさつのお告げによるくじで、五言四句の漢詩によって吉凶を判断するものです。始まりは天台宗でしたが、現在は天台宗のみならず、ほかの宗派や神社にも広がっています。
元三大師(919~985)は、元は良源という名前でしたが、1月3日に亡くなったことから、のちに元三大師と呼ばれるようになりました。
良源は比叡山の高僧で、比叡山のお寺の建物の復興や、天台教学の興隆や、教団内の規律維持など、様々な功績を上げたことから「比叡山中興の祖」と呼ばれています。
生前には、人並みはずれた霊力と様々な姿に変じて人々を救ったという言い伝えが今でも残っていて、角大師や豆大師、降魔大師、魔除け大師など様々な呼び名があります。朝廷から贈られた諡号(おくりな)は「慈恵」で、慈恵大師とも呼ばれています。現在は「慈恵大師像」と呼ばれる良源の肖像彫刻や画像が、比叡山内の寺院にあり、天台宗の多くの寺院にも伝えられています。
最近は、新型コロナウィルスの流行で、疫病退散のご利益があるとして元三大師が再び注目されています。参拝者に厄除けのお札を配布しているお寺もあり、元三大師を参拝する人もいるようです。
下記が、元三大師を祀る主な寺院です↓↓
- 群馬県前橋市-龍蔵寺(青柳大師)
- 栃木県足利市-寺岡山元三大師(寺岡山厄除け大師)
- 栃木県佐野市-惣宗寺(佐野厄除け大師)
- 茨城県常総市-安楽寺(元三大師)
- 東京都昭島市-本覚院(拝島大師)
- 東京都調布市-深大寺
- 東京都台東区-輪王殿両大師堂(両大師)
- 東京都墨田区-木母寺
- 埼玉県川越市-喜多院(川越大師)
- 埼玉県児玉郡神川町-大光普照寺(金鑚元三大師)
- 京都府京都市-ろざんてんだい廬山天台講寺(廬山寺)
- 大阪府天王寺区-四天王寺
- 三重県四日市市-観音寺(垂坂元三大師)
引用;Wikipediaより
おみくじの種類
現在のおみくじは、みくじ棒と呼ばれる細長い棒の入った箱を振って、中から一本取り出すものや、折り畳まれた小さな紙片に吉凶を記したものを、専用の箱から選んで取り出すものがあります。このようなおみくじは、江戸時代以降に広まったようです。
現在は、硬貨を入れて出てくる自動販売機を設置している所もありますね。
おみくじの吉とされる順番は、
大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶・大凶
神社によっては、吉が大吉の後ではなく小吉の後にくる場合もあるようです。また、吉でも吉と末吉の間に半吉、末吉の後に末小吉としたり、凶の種類も吉と同じように細かく種類を増やしている神社もあるようです。
おみくじを引き直すのはNG?
古代の中国の書物である「易経」には「再筮すれば穢れる」とあり、二度神に尋ねることは良くないとしています。
大凶でも買い直すことは禁じられ、易の考えでは、吉凶は交互にやって来るもので、凶とはいえ不吉ではないといいます。
結果が悪い場合は、書いてあることに気を付けて過ごすように、神様からいただいたメッセージと思って過ごすと良いでしょう。
おみくじを引いたあとはどうするの?
神社では、引いたおみくじをどうしたらよいかは定めていません。
一般的には、凶や大凶を引いた時は、神社の木の小枝や、用意された場所に括り付けて行く人がほとんどだと思います。
それは、悪い運を神社に留めておくという意味を込めてや、神社の木々に宿る霊力が悪い運気を浄化してくれるという考えからのようです。
神様と縁を結ぶことで、自分の願いごとをより叶えてもらえるようにするため、良いおみくじでも括り付けて行く人もいるようです。
持ち帰る場合の保存場所は、お財布でも神棚でも決まりはありません。
ただ、おみくじに書かれたメッセージは、時々読んで自分の生活や行動を振り返ることが大切だと思うので、個人的には持ち帰って、お財布やカバン、ケータイ電話の裏に入れるなど、目につく所で保管して大切に扱うと良いと思います。
まとめ
- 古代から人々は、物事を決められない時やアドバイスが欲しい時に神様を頼りにしていた。
- おみくじを広めたのは、厄除けや疫病退散で知られる元三大師だった!!
- おみくじは神様からのメッセージ。人生、良い時があれば悪い時もあります。吉でも凶でもメッセージをしっかり受け取って、良い行いを心がけることが大切です。