1月

日本のお正月は何するの?昔からの慣習やしきたりを紹介

皆さんはお正月には何をしますか?

何もせずに、テレビを観ながらゆっくり過ごす人もいるでしょうし、初日の出を観て、初詣をしてお餅を食べて…と、いくつかのお正月の慣習を行なう人はたくさんいるのではないでしょうか。

日本のお正月に行われるしきたりや慣習は、多くあります。

ここでは日本のお正月について、また昔から続けられている慣習やしきたりなどについて紹介していきます。

元旦とは?お正月を祝う本来の意味は?

元旦は国民の祝日の一つで、1月1日元日の朝を指します。旦は太陽が地平線にあらわれる時を表し、夜明け・早朝を意味します。

お正月には「あけましておめでとうございます」と挨拶を交わし、新しい年が明けたことを家族や友人たちと喜び合いますが、もともとは、元旦には年神様と呼ばれる新年の神様が、一年の豊作と福を運んで来てくれることに対して、お迎えできたことを祝福して交わされた言葉と言われています。

年神様は身近な山里にいて、お正月に人々のもとにやってくると信じられてきました。そのため、12月の正月事始めなどにおいて、大掃除をして家を清め、門や玄関に神がよりつくものと言われる依代(よりしろ)として、松を飾るのも、年神様を迎えるための準備ということです。

元旦やお正月に行われているしきたり

若水(わかみず)

元旦の朝早くに、初めて汲む水を若水といいます。飲むと一年の邪気を払うと言われている神聖な水です。若水は神様にお供えしたり、福茶(煎茶に昆布・黒豆・山椒・梅干しなどを入れたもの)を沸かしたり、お雑煮を作ったりします。書初め用にも使われます。

初詣で


新年に初めて社寺に参詣して、一年の息災を祈願します。
元々は、大晦日の夜に社寺に参篭して夜を起き明かす風習があり、それが形をかえて残ったものといわれています。


以前は、元旦に詣でたが、現在は元旦もしくは正月三が日の間に参詣することが多くなっています。

 

お正月飾り

お正月には様々なお正月飾りが飾られます。年神様が宿る依代としてや、神聖な場所を囲う結界としての役割があります。お正月飾りは12月28日までに立てましょう。29日に立てるのは「苦松」、31日に飾るのは「一夜飾り」と言われ、縁起が悪く神様に失礼だと言われています。

  • 門松(松飾り)
  • しめ縄
  • 玉飾り(輪飾り)
  • 餅花
  • 床の間飾り
  • 生け花
  • 神棚飾り
  • 鏡餅
  • 羽子板
  • 破魔矢(破魔弓) など

お屠蘇 おとそ


お屠蘇は一年間の邪気を払い、長寿を願っていただく祝い酒です。「屠蘇」には「死んだ者も生き返る」という意味合いがあり、酒には数種類の漢方薬が調合されています。中国から伝わり、平安時代に宮中でお正月にいただくと一生病気をしないといわれ、儀式になったようですが、現在は中国にはなく、日本だけの風習になっているようです。

お年玉

もともとは、分家した息子や結婚して家を出た娘が、実家の親が今年も元気でいて欲しいと、神様に供えたお餅をいただき直し、神様からいただいた生命力として、親に贈ったものをいったと言われています。「お年玉」とは、神様から賜る魂のエネルギーの象徴であり、新年を迎えていただく「年賜り」だったようです。

御魂のこもった餅玉(鏡餅)を「おとしだま」と呼んだことから「お年玉」になったともいわれています。

お節料理

お節料理の中身は、かまどの神様を休めるために作りおきできるものが中心となっていて、五穀豊穣、家族の安全と健康、子孫繁栄をお祈りするため、一つ一つに、それらの願いが込められています。

めでたさを重ねるという意味で重箱に詰められ、年神様にお供えされます。

お雑煮

お餅は昔は、お祝い事など特別な日に食べる縁起物で、神様へのお供えとして使われてきました。


お餅や野菜を年神様に捧げ、若水と新年の初めに起こした火で煮込んで食べたのが、お雑煮の始まりのようです。色々な具材を混ぜて作ることから煮雑(にまぜ)が転じて「雑煮」となったと言われています。

年賀状

日本には平安時代頃から、年始めにお世話になった人や親族の家を挨拶回りする「年始回り」の習慣が広まって、大正時代あたりまで行われたようですが、江戸時代になると書状で挨拶を済ませることが増えたようです。

年始回りを簡略化したものが年賀状のルーツと言われています。

古代から日本人は、言霊を信じてきました。年賀状にかならず「おめでとう」と書くのは、「おめでとう」という言葉を相手に送ることで、相手の新しい一年がめでたくなると信じる気持ちからです。

書初め、初荷、初夢

これらの事始めは1月2日に行われます。年が明けて、問屋や商店が仕事始めに荷物を送りだしていましたが、この事始めに習って、宮中や文人たちが「書初め」を始めました。

若水で墨をすって、その年の縁起が良い方角を向いてめでたい詩歌を書いた宮中行事が始まりのようですが、現在は1年の抱負や目標などを書いて、その目標に向かって精進すると上手くいくと考えられています。

初夢は2日の夜に見る夢で、昔から初夢で1年を占っていました。「一富士二鷹三茄子」が夢に出てくると縁起が良いと言われていますね。富士は不死、無事を象徴します。鷹は高貴なイメージからで、なすびは実が良くなることから、子孫繁栄を表すといわれます。

お正月の伝承遊び

平安時代の貝合わせが始まりとされるかるた遊びや、年の初めに男子の出生を祝い、健やかな成長を祈願する儀式として江戸時代に庶民へと広がった凧揚げなど、様々な昔からの伝承遊びがあります。

かるた、百人一首、花札、福笑い、双六、けん玉、お手玉、手毬、だるま落とし、めんこ、独楽まわし、羽根突き、凧揚げ等

まとめ

昔から伝わるお正月に行われてきた、また今も行われている慣習やしきたりについて、簡単に紹介しました。

今までただ何気なく続けてきていた行事も、意味や由来を知った上で行うと、行事への理解も深まり、今までとは違った気持ちで取り組めるかもしれません。

例年お正月の行事をあまりやらない家庭でも、今度のお正月は昔からの慣習やしきたりを取り入れてみてはいかがでしょうか。気持ちのいい1年のスタートが切れるかもしれません。