2月

コロナ禍で注目されている疫病退散の鬼「方相氏」は節分の鬼だった?

新型コロナが流行する中、終息を願い、疫病よけとして『妖怪アマビエ』が注目されました。

お守り、Tシャツ、スティッカーなどの他にも、食べ物や飲み物など、様々な商品にプリントされて人気を集めています。

今回は、アマビエの他にも疫病退散で一部の人には注目されている!?方相氏と呼ばれる鬼の神様について紹介します。

日本の年中行事『節分』に欠かせない存在の『鬼』ですが、実はいい鬼だったことが分かります!!

方相氏(ほうそうし)とはどんな鬼?

方相氏とは、大晦日や節分に、疫鬼(疫病をはやらせる鬼)や悪鬼を追い払うために行なう追儺(ついな)と呼ばれる儀式に出てくる鬼の神様です。

方相氏は四方の見えない鬼を追い払うため、4つの目を持ち、手には鬼を斬る大きな刀や矛・盾を持ち、黒い衣に赤の裳裾の玄衣朱裳(げんいしゅしょう)と呼ばれるものを身にまとっています。

この追儺の儀式は、もともと中国で行われていたものでしたが、そのうち日本にも伝わり、奈良時代に疫病が流行した際に宮中でも行われ、それが徐々に広まっていき、この追儺の儀式が節分の行事の始まりといわれています。

昔から人々は、疫病や飢餓、災害などの災厄は、鬼の仕業だと考えていました。悪い鬼を退治してくれる鬼よりも恐ろしい出で立ちの方相氏に、新たな一年は災厄が起きないことを祈っていたのでしょう。

追儺(ついな)が行われている神社

追儺の行事は毎年いくつかの神社で行われています。

京都御所の鬼門を守る厄よけ・開運の神様として知られている吉田神社では、追儺の儀式を忠実に再現しています。節分祭は2月1~3日の3日間にわたって開催されます。

また、静岡県の浜松八幡宮でも吉田神社から追儺式を習い、再現しています。

追儺式で使われている方相氏の面も、神社によってそれぞれ違います。

2021年度は、新型コロナ感染拡大防止に伴い、中止を決めている神社もあります。お出かけの際はホームページや電話などで確認しましょう。

水木しげるロードでも方相氏に会える!?

鳥取県境港市の境港駅から水木しげる記念館まで続く水木しげるロードには、道のいたるところに177体の妖怪ブロンズ像がありますが、その中の一つに方相氏もいます。観光に行く機会があったら、ぜひ一度は訪れてみたいスポットです♪

境港市観光協会HPより http://www.sakaiminato.net/

方相氏は水木しげるロードの郵便局の近くにいるそうです。

また、鬼つながりで言えば、島根県石見地方にあらわれるといわれる顔が牛で、体は土蜘蛛の姿をした妖怪「石見の牛鬼」のブロンズ像もあるそうです。

今年は丑年ですし、方相氏と一緒に探してみてはいかがでしょうか。

ちなみに大人気のアマビエですが、ブロンズ像は水木しげるロードにはなく、島根県の隠岐の島に設置してあるそうです。

まとめ

新型コロナにより、目に見えないウィルスという災いの恐怖を感じることになるとは思ってもみませんでした。

昔の人々が自分の力ではどうにもできないものを、目に見えない鬼の仕業だと考え、そして神様に祈る気持ち、現代社会においてもとても共感できるものがあると思います。

今年の節分は、例年以上に気持ちを込めて、鬼を払うことを心から願って豆撒きをしてみてはいかがでしょうか。

https://seasons-event.com/%e7%af%80%e5%88%86%e3%81%ae%e3%81%af%e3%81%98%e3%81%be%e3%82%8a%e3%81%af%ef%bc%9f/