5月

八十八夜とは?お茶の種類・産地、ほうじ茶の炒り方などお茶について詳しく解説。ほうじ茶でお部屋の消臭も!!

八十八夜と聞くと、夏も近づく八十八夜~♪野にも山にも若葉がしげる~♪というフレーズが浮かんでくるように、八十八夜=茶摘みの時期と想像がつくと思います。

今回は、八十八夜について解説するとともに、八十八夜と言えばお茶ということで、お茶の種類や淹れ方なども合わせて解説していきます。

八十八夜とは?

八十八夜は雑節の一つで、立春から数えて88日目なので八十八夜といいます。現在の暦では5月2日~3日頃にあたります。ちょうどこの4月下旬から5月上旬にかけてが、茶の新芽の季節になり、この新芽からつくられる一番茶を新茶といいます。

冬の間にためた養分がたっぷり含まれているため、一番おいしいお茶といわれています。

「八十八夜の別れ霜」と言われるように、この頃から霜が降りなくなり、だんだんと夏の気配を感じる季節となってきますが一方では「八十八夜の泣き霜」という言葉もあり、5月中旬頃までは、泣いても泣ききれないほどの大きな遅霜の被害が発生する地方もあります。

八十八夜といえばお茶が定着した理由は?

小学校の音楽の授業で習う「茶摘みの歌」

夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘じゃないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠

日和つづきの今日此の頃を
心のどかに摘みつつ歌う
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本の茶にならぬ

初夏に見られる茶摘みの光景を歌った茶摘みですが、この1番の歌詞に出てくるのが八十八夜ですね。


1912年(明治45年)に刊行された『尋常小学唱歌・第三学年用』として発表されたこの歌は、2007年には『日本の歌百選』に選ばれています。この文部省 唱歌「茶摘み」がきっかけで八十八夜=茶摘みというイメージが定着していきました。

お茶の種類

玉露(ぎょくろ)

日本茶の中で最も上等なお茶です。玉露は茶の新芽が伸びてきたころに覆いかぶせて直射日光が当たらないようにし、大切に育てます。蒸してもみながら乾燥させた玉露は、濃厚でまろやかな甘さが特徴です。

抹茶(まっちゃ)

玉露と同じように直射日光が当たらないように育てられ、葉を蒸した後、もまずに乾燥させ、石臼でひいて粉にします。

煎茶(せんちゃ)

緑茶の代表的なもので、初摘みの新茶は新鮮な香りとさわやかな味です。6月中旬から7月にかけて摘まれるものは二番茶、7月中旬から8月にかけて摘まれるものは三番茶と呼ばれます。

芽茶(めちゃ)

茶葉の先端のやわらかい部分を集めたお茶が芽茶です。芽茶は香りが強く味が濃厚で独特な味わいが特徴です。

茎茶(くきちゃ)

玉露や煎茶の製造過程で、茎の部分だけを集めたお茶で、若々しい生のような香りが特徴です。高級煎茶や玉露からとれた上等な茎茶を雁ヶ音(かりがね)と言うそうです。

番茶(ばんちゃ)

一般的には二番茶以降の煎茶が番茶とよばれます。すっきりとした香りと味わいが特徴です。

ほうじ茶

番茶を煎じて、香ばしく仕上げたものです。サッパリとした味わいが特徴です。

玄米茶

番茶または下級の煎茶に焙じた玄米を混ぜたお茶です。あっさりとした味わいで、玄米の香ばしさが特徴です。

ほうじ茶の炒り方と消臭効果

飲み切れずに古くなった煎茶を使って自宅でほうじ茶を作ってみましょう!!

①フライパンにクッキングシートを敷きます。

②煎茶を入れて、強火で焦げないようにフライパンをゆすりながら炒ります。

③より香りが立って、色が茶色くなってきたら出来上がりです。香ばしい香り豊かなほうじ茶を自宅で手軽に楽しめます。

また、お茶には消臭効果もあるので、お部屋の匂いが気になる時には、ほうじ茶を炒るとお茶の香ばしい香りが部屋中に広がり、いやな臭いを消してくれますよ!!

有名なお茶の産地

狭山茶(埼玉県)

関東エリアの銘茶の産地として知られる埼玉県の狭山地方(入間市、所沢市、狭山市など)で生産されるお茶の総称です。 静岡や九州と違い埼玉県は寒い所なので、お茶の葉は1年に2回しか摘みとりません。

深い味わいの狭山茶は、寒い冬を乗り越えることでいっそう深まり、「狭山火入れ」という独特の仕上げ技術により、甘くて濃厚なお茶になるようです。

静岡茶(静岡県)

日本のお茶の40%以上の生産量を誇る、日本最大のお茶の産地である静岡県。 県内には牧の原台地、富士山麓、安倍川、天竜川、大井川などお茶の栽培に適し、自然環境を活かした銘産地が多くあります。 やぶ北茶などの煎茶や深蒸し茶の生産が主流になっていますが、岡部町は玉露の産地としても有名です。

静岡県の多くの家庭では、朝昼晩の食事の際にお茶を飲むようです。一部の小学校や中学校では、なんと水道の蛇口からお茶が出てくるところもあるようですね。羨ましいです!!

伊勢茶(三重県)

静岡、鹿児島に次いで全国第三位のお茶生産量の三重県は、千年の歴史を持つお茶の名産地です。 南北に長い三重県では、産地の特性を活かしたお茶が栽培されていて、伊勢茶は煎茶、深蒸し茶、かぶせ茶などが主に生産されています。 ほのかな甘みが特徴のかぶせ茶は全国2位、シェア30%以上の生産量を誇ります。

宇治茶(京都府)

京都府の宇治近郊や和束町、山城一帯は代表的な高級茶の産地として有名ですが、宇治茶の茶葉の産地は、京都府南部で栽培されたものがメインで、他にも奈良県・滋賀県・三重県の産地で栽培されたものが使われているそうです。各産地の茶葉を、京都府内の宇治茶師がブレンドし、宇治に伝わる伝統的な製法で加工したものが「宇治茶」とされています。

八女茶(福岡県)

玉露と煎茶の名生産地として知られている福岡県八女地方。八女市を中心に星野村や黒木町などで生産されている玉露は、全国生産量の約半分を占め、玉露の生産量日本一です。

八女茶のはじまりは、僧周瑞が1423年(応永30年)に霊巌寺を建立するとともに、お茶の栽培を伝えたのが由来とされ、古い歴史を持つお茶の生産地です。

鹿児島茶(鹿児島県)

鹿児島茶といえば、知覧茶、溝辺茶などの銘柄で有名です。 平坦な茶園が多く、摘採の効率化が進んでいて、荒茶生産量は静岡県に次いで全国第二位です。 県内全域に茶産地があり、早生品種から晩生品種まで多様な品種が栽培されています。また、温暖な気候を活かし新茶の摘み取りは4月上旬から始まるため「日本一早い新茶」の産地としても有名です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。日本茶ともいわれるように、緑茶は昔から日本人に親しまれているお茶ですが、一口にお茶と言ってもさまざまな種類があり、また生産地によって、味わいや香りも違ってきます。

夏の気配を感じ始める時期、四季の移り変わりと日本のお茶を楽しんでみてはいかがでしょうか。